ない過払い金|被告が観光協会に対して損害賠償請求権を行使しないことが財産管理を違法に

過払い金の概要である市町村の収入とすることができると規定しており(道路 法32条1項,39条1項,同法施行令19条の3第1項),市が権原を 有する認定外道路についても,管理者以外の者が占用しようとする場合に は,市長は道路の占用につき占用料を徴収することができると規定されて いる(公共物管理条例4条1項,6条1項)。


事実及び1(1)アで認定したところによると,露天商配 置申請図(甲4)は,別紙1に係る露天商らが本件祭りにおいて露店を出 店する予定の場所を示した文書であり,露天商配置調査図(甲17,乙1 7)は,本件祭りにおいて実際に出店が確認された露店を示した文書であ る。
そして,露天商配置調査図(甲17,乙17)に記載された露店のう ち,露天商配置申請図(甲4)に記載された別紙1に係る露天商らの出店 予定地と同一あるいは近接する場所において出店し,露天商名簿(甲6) に記載された別紙1に係る露天商らの取扱商品と同一の商品を取り扱う店 については,特段の事情のない限り,別紙1に係る露天商らが出店したも のと認めるのが相当である。
別紙1に係る露天商らのうち,その占用場所,取扱商品に照らし,特段 の事情のない限り,本件祭りにおいて露店を出店し,市道等を占用したと 認められるのは,露天商「い」,「う」,「え」,「か」,「き」,「く」,「け」, 「こ」,「さ」,「し」,「す」,「そ」,「た」,「ち」,「つ」,「な」,「に」,「の」, 「は」,「ほ」,「ま」,「み」,「む」,「め」,「も」,「や」,「い(番号37)」, 「え(番号39)」,「よ」,「ら」の30名であり,このうち占用場所が市 道等であることに争いがない者は,露天商「く」,「け」,「こ」,「さ」,「し」, 「す」,「そ」,「た」,「ち」,「つ」,「な」,「に」の12名を除いた18名 である(甲4,6,17,乙5,6,17号証)。
本件祭りに際し,いずれの露天商からも市道等占用許可申請がされてい ないというのであるから,市は,別紙1に係る露天商らのうち少なくとも 上記18名に対しては,占用料相当額の損害賠償債権を取得したと一応認 めることができそうである。
イそこで,次に,上記債権を行使しないことが地方自治法施行令171条 の5第3号所定の場合に該当すると認められるかについて検討する。
(ア) 占用料条例2条,別表によれば,祭礼,縁日等に際して一時的に設 ける露店の占用料は,その面積1平方メートルにつき1日57円であり, 各露店の占用面積を仮に2平方メートルと見積もると,露天商1名に対 する損害賠償債権の金額は,2日間で合計228円となる(甲8,19, 20)。
一方,市が上記各債権を取り立てるためには,観光協会から黒塗りし ていない露天商名簿(甲6号証参照)を入手し,同文書に記載された露 天商らに対し,イベント番号欄に記載された住所あてに郵便を送る,同 電話番号欄記載の電話番号に架電するなどして連絡をとり,各露天商に 占用の事実及び占用面積の照会を行い,必要であれば現地の測量等を行 って損害の金額を確定させ,期限を定めて督促し,相当の期間を経過し ても履行されないときには訴訟手続により履行を請求し,債務名義を得 た後は強制執行の手続をとらなければならない(地方自治法施行令17 1条,171条の2)。
このうち,督促を行うまでに要する費用としては,郵便料や電話代等 の通信費,債務者との連絡や損害額の調査等を行う者の人件費が想定さ れ,各露天商が督促によって任意に支払うことを想定しても,上記のと おり算定した1名につき228円という債権金額は少額に過ぎ,取立て に要する費用にも満たないといわざるを得ない。
(イ) 更に,前記第2の2の(3)に記載のとおり,占用料条例5条5号, 占用規則22条等により,市道等占用許可を受けた者が道路占用料減免 申請をした場合,市長は,祭礼,縁日等の行事に際して一時的に占用す る露店について占用料を全額免除することもできるとされており,本件 においても露天商らが市道等占用許可を受けた上で減免申請の手続を執 っていれば,占用料の全額免除を受けられた可能性は高い。
(ウ) このように,市の露天商一人に対する占用料相当額は著しく少額で あり,債権の取立てに要する費用にも満たないものであり,また,占用 料は露天商において市道等占用許可を受けた上で減免申請の手続を執り さえすれば全額免除も受けられるような性質の債権であることをも考慮 すると,占用料相当額の損害賠償請求権について,事後的に多額の費用 をかけて取り立てることは著しく不適当であるというべきである。
したがって,本件にあって,市が当該露天商らに対する占用料相当額 の損害賠償債権を行使しないことは,地方自治法施行令171条の5第 3号所定の場合に該当すると認めることができる。
ウ以上によれば,本件においては,市が何人かの露天商らに対して占用料 相当額の損害賠償請求権を有しているとしても,これを行使しなかったか らといって,そのことをもって違法ということはできない。

抵当権設定金銭消費貸借契約証書

被告人丙は, 平成2 年6 月前後ころ, h に対し, 農地法5条の許可や農業振興地域の整備に関する法律( 以下「農振法」という。) による農業振興地域の指定解除を停止条件とする停止条件付仮契約書で農地を買収するよう指示し, 同人は, 既に土地売買契約書を締結していた農家には最初の契約年月日までさかのぼって契約をし直してもらうなどしていたが, このころ,被告人丙は, 札幌市農業委員会から茨戸開発用地の取得は農地法違反に当たるからやめるようにとの指導,更に平成2年6月1 4 日ころに農事組合法人を監督する北海道庁の出先機関である石狩支庁からO 観光の法人登記を抹消し, 解散するようにとの指示を受けたため, 早急にできるだけ多くの茨戸開発用地を取得しようと考え, 当時のU 農業協同組合( 平成10年に合併し札幌市農業協同組合となった。以下, 合併前を「U 農協」という。) の関係者と相談するなどして契約書を金銭消費貸借契約に基づく抵当権設定契約証書に改め,hに対し,農地買収を急ぐよう指示した。O観光は,平成2年6月30日に解散し,同年7 月2 日に解散登記をしたが, その後も被告人丙は, B名義で農地買収を続け, 従前の金銭消費貸借契約に基づく抵当権設定契約証書では明らかに農地の売買であることが分かるので,U農協から抵当権設定金銭消費貸借契約証書( 実質売買代金を貸借する金額とし, 弁済期限を農地法5条の許可が得られ, 所有権移転登記が可能となる時期,利息は無利息,債権者であるB は抵当不動産に対し先買権を有するとする内容) 及び念証(弁済期が到来しても債権者であるB は当該物件及び債務者所有財産全てについて差押え,競売等せず,先買権の行使で処理することを合意するという内容) のひな型をもらい, hらに従前の契約証書との差替え及び同証書による新規買収を行わせた。
そして,hは,このころまでに茨戸開発用地約24万坪のうち約8割の買収を終えた。


請求は,理由がない。
3 争点3(被告が観光協会に対して損害賠償請求権を行使しないことが財産管 理を違法に怠っているといえるか)について 原告は,観光協会が市長及1 び関係機関との協議を怠ったために占用料相 当の損害が発生し,観光協会に,伊勢原市との事業委託契約に基づく義務の 懈怠があったかのような主張をするが,そのような事実を認めるに足りる証 拠はない。
また,原告は,観光協会が迅速に個々の露店の出店場所を定めなかったた めに,露天商が市道等占用許可の申請をすることができず,占用料相当損害 金が発生した旨主張をするが,実行委員会が個々の露店の出店地点を指定し なければ露天商が市道等占用許可申請ができなかったと認めるに足りる証拠 もない。
さらに,原告は,実行委員2 会が露天商らに代わって市長に対する市道等 占用許可申請及び道路占用料減免申請をするべきであるのにこれを怠ったこ と,露天商らに対して露店の出店に伴う諸費用として道路占用料を請求でき るにもかかわらずこれを怠ったことなどにより,市に観光協会に対する損害 賠償請求権が発生した旨主張する。
上記主張は,実行委員会を観光協会の履行補助者として,実行委員会の上 記各不作為を,観光協会の市長に対する債務不履行と主張する趣旨と解され なくもない。
しかし,観光協会は,伊勢原市における観光事業の振興等を目的とし,観 光産業にかかわる事業者等によって組織され,会長を伊勢原市長とする団体 であり,伊勢原市は,観光協会との間で,本件祭りの開催事業の企画立案及 び実施に関する一切の業務を委託したものであるところ(乙14),観光協 会ないし本件祭りの実施団体である実行委員会において,市道等を占用しよ うとする個々の露天商らが市長に対して執るべき道路法及び占用料条例等に 基づく市道等占用許可の申請及び道路占用料減免の申請の手続を,露天商ら からの委託もなしに露天商らに代わって行うべき義務及び権限があると解す ることはできないし,市長に権限のある道路法及び占用料条例等に基づく露 天商らに対する道路占用料の徴収を,市長に代わって行うべき義務及び権限 があるとも解されない。
「aまつり露天出店に関する要綱」の9条1項の規定は,実行委員会が露 天商に代わって露店出店に必要な電気,水道の手配等を行った場合に,それ らの費用を露天商らに請求できる旨の規定であり,上記要綱の12条には, 実行委員会は,管理者の承認を得ないで公の管理する土地を使用する露天商 に対して「必要な措置をとることができる」旨の規定が置かれているが,こ れらの規定をもって,実行委員会において,市長に代わって露天商らに対し て道路占用料を徴収できる義務及び権限があると解することはできない。
そうすると,原告が主張するように市が観光協会に対して損害賠償請求権 を有しているということはできず,その他,市が観光協会に対して本件祭り の際の露天商らによる市道等の占用に関して債務不履行等に基づく何らかの 損害賠償請求権を有していると認めることもできない。
以上によれば,市が観光協3 会に対して損害賠償請求権を有しているとは いえず,これを前提とする原告の請求は理由がない。
第6 結論
よって,本件各訴えのうち,請求に係る訴えは不適法であるからこれを却 下し,その余の請求はいずれも理由がないから棄却することとして,主文のと おり判決する。
(3) 本件許可処分をする際の手続の適法性
ア被控訴人ら
控訴人は,本件許可処分をするに当たり適用法律を誤ったため,平成1 2年法15条3項の生活環境影響調査の結果を記載した書面提出の要件を 考慮せず,同条4項の告示をせず,同項に規定する書類を公衆への縦覧に 供することをせず,同条5項の意見聴取をしなかった。
このように手続要 件についての法律違反が明らかであるから,本件許可処分は,違法であり, 取り消されるべきである。


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前記
基礎
事実

債権で履行期限
地方公共団体が有する債権の管理について定める地方自治法2 40条,同法施行令171条から171条の7までの規定によれば,地方 公共団体の長が客観的に存在する債権を理由もなく放置したり免除したり することは許されず,原則として,地方公共団体の長にその行使又は不行 使についての裁量は認められないことになる。
しかしながら,地方自治法施行令171条の5第3号は,地方公共団体 の長は,債権で履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されて いないものについて「債権, 金額が少額で,取立てに要する費用に満たな いと認められるとき」に該当し,これを履行させることが著しく困難又は 不適当であると認めるときは,以後その保全及び取立てをしないことがで きると定めており,上記場合については,履行期限を経過した債権を行使 しなかったからといって,これを地方自治法242条1項所定の財産管理 を違法に怠る事実に当たるとはいうことができないものと解される。 (2) そこで,以下,市が別紙1に係る露天商らに対して損害賠償請求権を取 得したか,取得した場合,その債権を行使しないことが財産管理を違法に怠 るものといえるかについて検討する。